ヲカヱツ的三都物語 3日目

翌日は二日酔いにもならずちゃきちゃきと準備。

明け方にはもう動けるよーって感じだったんだけど、この日のメイン「松尾大社ご神山登頂」についてちと不安があったので調べてみたり。というのも、前の晩結構雨が降っていたので、あまり勾配のきつい山だったりするとあがれないんじゃないかと思って。あと筋肉痛も結構出てきていたのもあり。で、調べていて思わず「え」と言ってしまったのが(ソースは個人ブログなので引用しませんが)、

「1人での登頂禁止」

なして??
えええええ????…だめじゃん…。
いきなり出鼻を挫かれる。こういう事もあるんだなーと思い、他にじゃあどこへ行こうかと色々検索していて、「日本の鬼の交流博物館」なるものを発見してうわー行ってみたい!と思ったけど京都から2時間じゃあちと帰りの新幹線を考えるとちと難しいなぁと思って却下。今度大江山には別途行こうと決意。鬼の文化というか、「鬼」というあやふやな存在についてはまた改めて書くとして(わたしのいう「鬼」って多分概念の話ね。「隠(オン)」から来ているとか言われる「客人(マレヒト)神」とかそっちの方面で、鬼というよりも「(集落の)部外者の扱いの傾向」なのかなーと思っていて)じゃあどこへ行こうかと京都の地図を見ていてふと「そういや伏見稲荷の千本鳥居って見てないな」というのを思い出して行ってみることに。

確か大人になってからの京都で初めて行ったのが伏見稲荷じゃなかったかしら。
その時は本殿前で泣き崩れる女性とその背中をさする女性(おそらくお母さんじゃないかと)の横で祝詞をあげる人がいて、「あぁここはそういう場所だったんだなー」と実感した時になにやら背筋を駆け上がるものがあって早々に退散してしまって。という事情があったため、あの画面が鳥居の朱で真っ赤になる写真は撮ってなかったのが残念だったというのを思い出しました。
京都から新幹線で帰るため京都駅へ荷物を置き(酒瓶と図録も)奈良線に乗り換え稲荷へ。
ああそっか今日は日曜日か。というのを今更気付かされるような人出でした。人気なんですね、伏見稲荷。

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境内に入ったら、なるほどお祭りの準備しているではないですか。
それでこの人出だったのね。そうか。
という脇をするっと抜けてさくさくと千本鳥居へ。
うわぁ、視界が朱になった!というくらいの鳥居でした。ホント圧巻だねぇ、こりゃ。人がいなくなる隙を狙って写真撮りたかったんだけど、ちとそういうタイミングに恵まれず写りこんでしまうのが残念だったけど、まぁ日曜だししょーがないか、という。
でもって熊鷹社を過ぎた辺りからじょじょに脚に異変が。
というのも、結構既に筋肉痛が出ている状態だったのですが、それを圧して上がり始めたのがもしかしたら失敗だったようで。左膝裏が攣るというか痛み始めまして。やっぱりきたか。
以前富士山に登った時にも出たあの痛みをまた再現してしまったらしかったでした。くだる足運びで痛むので、上がるのにはなんの問題もないのですが、階段が降りられなくなってしまうのは、このまま上るのは問題なくても帰りは「あがる疲れ+膝の痛み」になるのでこれもまたむり!!と思って四つ辻の辺りで断念し痛む膝を庇いつつ、痛みと悔しさで半泣きになりながら降りていったのでした。

で、京都駅へ戻りいつもの三十三間堂へ行って(なんでだかわからんのですがこの三十三間堂はどうしてもはずせなくて。千体の千体千手観音立像になにやら所縁みたいなものを感じるのですがなんででしょうね。以前仏師だったのかな、とか)大好きなうぐいす張りのひよひよを聴こうと思ったらものすごい人で通路全体に人がいるためひよひよ鳴らず。あーなんなの今日!だめじゃん!なんかうまくいかない!!と思って半ふてくされで祇園へ行ってお買い物することに。
用事を済ませて、さてどうしようかと思って八坂神社の方へ向って歩いていたところでふと目に留まった1軒のお店。

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白塗りの壁が眩しくてなんだろうと思ったのですが、その奥にある目を見張るような色彩の絵が瞬時に飛び込んできました。思わず「うわ」と声に出してしまうほどのインパクトのある襖絵がありました。
吸い込まれるように店内に入ると、その極彩色は更に深く、大量の図柄と色を蓄えてありました。
眩暈を起こすほどの一目惚れってそうそうないのですがこの店内にある絵については本当に眩暈起こしそうなほどで、その存在感に飲み込まれてしまうようでした。
というその絵師さんはこの方。

木村英輝(キーヤン)
http://www.ki-yan.com/

shopの方に一目惚れしましたと告白し「ポイントカードおつくりしますか?」と聞かれて「東京からなので滅多に来られないけれど是非作ってください♡」と作ってもらって、その足で店員さんに教えてもらって非売品のチケットまで戴いた展示会へ行ってみることに。
創業百二十年記念 龍村平蔵 “時” を織る。
(終了したイベントなので公式には存在しないようで)
こちらにあわせて正面ウィンドウに襖絵が展示してありました。

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あああああああすっごいかっこいい。こんな襖があって廊下はうぐいす張りのおうちに住みたい。ホント素晴らしい。
めちゃくちゃかっちょえぇよう。涙出ちゃうよう。
と、半泣きになりながらも展示見て(正直織物にはあまり興味がなかったのでさらっと)ぼんやり京都駅まで歩くことに。
途中キーヤン氏のバスや絵を見つけて「うきゃー」と写真撮ったりしながらのんびり歩きました。

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最後に京都駅でなんとなく恒例となってしまった「一番上のお店でビール1杯」を今回もやって(カウンターだったし店内混み混みで本当に1杯だけで帰った)「ぷらっとこだま」で4時間近くかけて帰路についたのでした。
やたら長くなってしまいましたが、今回ほど充実した旅行も珍しいのではないかしら。
出会えた花、人、場所、本当に感謝。
たくさんいい思い出ができました。