蒼く透明なweb

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グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA): 飛 浩隆

大橋さんの新作がこちらの小説をダンス作品化するということで読み始めました。
先日、「Books,Phantoms」の写真展最終日のイベントに行ってきたのですが(ちゃっかり写真戴いてきちゃいました。ありがとうございました)、その時久しぶりに大橋さんとお話ししまして。
初めてお会いしたお店になかなか行く事が出来なかったためプライベートでお話することもなく(なんかプライベートって書くとアレね、オフの方がいいのかしら)イベント時もお忙しそうなのでご挨拶だけして帰っていまして。
Books,Phantomsを初めて観た時からずっと感じていた「何かいる」という感覚があって、でもそれがなんだかよくわからなくて、という話をしたのですが、
「わからなくていいんです、その時に感じた何かを持ち帰っていただければいいんです」と仰っていました。
わたしがあの空間で見つけた「何か」は大橋さんが演出されたもののようで、それを素直に受け止めていたわたしと、「何か」が「何なのか」と煩悶するわたしはちゃんと向かい合っていたんだなぁと思いながら帰りました。

グラン・ヴァカンスはSFというカテゴライズなのですが、どうも詩的で不思議な感覚です。
行ったことないけど、ウユニ湖のようなイメージがします。
本の紹介を読んでいただくとその印象とまったく違うように見えますけど、とても繊細でキラキラと輝く「web」が非常に美しい文章です。こういう美しい文章を紡ぐひとってどんな人なんだろうという、作者自身への興味も湧くくらい。
結構描写がえぐかったりするところもあるのですが、そういう描写すらも淡くパッと空に霧散してしまうようで、さわやか…ではないな、うーん…透明な悲しみ、ってなんかの歌詞だったかしら。そんな感覚に包まれます。種田山頭火の句を彷彿とするような。「分け入っても分け入っても青い山」とか「まっすぐな道でさみしい」とか。つか、山頭火しか知らんのかよあたしというくらい引用多いな最近。

なんか体調が芳しくなく、食欲というか食事の絶対量がずいぶん減りました。
ちょっとしんどいかも。