ヲカヱツ的三都物語 2日目

案の定二日酔いで、本当は8時にはチェックアウトしてしまおうと思っていたのに結局ギリギリまでだらだらしてしまい。

とりあえず荷物が多いので、次の宿泊先(2泊も高級老舗ホテルなんざ泊まれません(笑))へ酒瓶やら着替えやらを置いてからさてとりあえず大阪駅へ行ってから色々悩むかと駅に向かいました。この日はまる一日郡山辺りをうろついて「鳥見」にかかわる諸々を探そうと思っていたのですが、なんせ二日酔いなんで歩くのが面倒だったりして。もし時間がなくてもここだけは行こうと思っていた2箇所の神社に行って、あとはホテルでだらけるかなーとかやる気ないことを考えていたときに、ふと駅構内の柱のデジタルサイネージに目が留まりました。
「よ、妖怪…?」
思わず立ち止まりその広告が再現するまで待ち(笑)よく見てみると。

幽霊・妖怪画大全集
http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2013/yureiyokai.html

こんな素晴らしい展示が開催されていました。いましたというか、今日から開催でした。
なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!
さっそく大阪歴史博物館をぐぐって場所を確認し、まだあまり馴染みのない地下鉄を乗り継ぎ大阪歴史博物館へ。
入場料を払って早速中へ。

ずいぶん前にもこういった妖怪の図録の展示会(あと人魚のミイラとか河童の手とかもあった)を見たことがあって、それと主旨はほぼ一緒だったんだけど、幽霊画が壮観だったり(みんな左側を向いて口半開き、鉄漿(おはぐろ)なのねー)百鬼夜行図が山盛りあったり(久々にハの字息(ガラスに近づき過ぎて鼻息がハの字にむはーっ!とついてしまうのを勝手にこう呼んでる)つけたりメガネぶつけたりするほどガン見した)してホント楽しかった。あやかし大好き!憑喪神とかチョーかわゆす!と思いっきり満面の笑みでニヨニヨニヨニヨしながら妖怪大行進を眺めていたのでホント怪しかっただろうなーと思うけど好きなんだもん。

という興奮冷めやらぬ状態で、これは図録必須だろうと重たかったけど購入、毎度のクリアファイルも買ってほくほくしながら会場を後にしました。
大阪歴史博物館を出たのが昼過ぎだったので、今晩の予定まではまだ充分時間があるため、ちょっと迷ったけどもう酒も抜けたようだったので本来の目的地郡山へ向かうことにしました。

で、郡山なんですけど。
つい最近まで大阪と梅田の関係がよくわかっていなかったように、JRと私鉄の関係がわかっていなかったわたしはずっと郡山って言ったら郡山でしかないと思っていました。ので、乗り換え案内もずっと「郡山」で検索してたんですが、その目的地は「近鉄郡山駅」からバス、だったなんて知らなかったんです。
ちょっと誰か言ってよ!
というか前の晩に「こっちの人はあんまりJR使わない」というような話を聞いていたような…とか思いつつ降り立ったのは「郡山」駅。
そこから近鉄郡山駅まで15分くらい歩き、最寄まで行くバスの時刻表を見たら30分以上来ないようでした。
現在地からその目的地までのルートを検索するとおおよそ3km。30分あれば着く距離だったので、ただぼんやり待つよりはせっかく初めて来た地をじっくり愉しもうと思い歩くことにしました。
目的地は、登弥神社(とみじんじゃ)。物部氏の祖神・饒速日命(ニギハヤヒのミコト)を祀る神社です。
昨日は葛城氏、今日は物部氏、手のひら返しまくりです。
で、なぜわざわざ石上神宮でなくこの登弥神社かというと、「トミ」にどうもひっかかりまして。おそらく結構この地名あるのではないかと思いますが、わたしが一時期あしげく通った千葉県白井市の星神社がうようよある地域にも「鳥見神社」という神社があります。そこに何かひっかかりまして。
たったこれだけの符合が現実に何か結ぶ糸の役割を担っているのか探しようがなかったのですが、元々この地域は古くから豪族が居た地なので何かしら関連はなくとも行けばそれなりに楽しい(?)かもしれないと思ったのが発端でした。
(本当は生駒の巨石信仰の辺りをトレッキングがてら巡ろうかとも思っていたんだけど、運動不足のこのわたしが3日間毎日トレッキングできるわけがないと踏んでこの登弥神社とあともう一箇所、矢田坐久志玉比古神社を見て来ようと思ったのでした)

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境内は結構広くいい雰囲気の神社でした。
静かで落ち着くところです。

ここから更に東南へまた3kmほど歩いたところにある神社はこちら。

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ここで予報通り雨が。
途中で買った折畳み傘を出して駅へ向かいます。
ひたすら県道をまっすぐ歩いていけば駅に着くので地図を見ていたiPadminiを仕舞って時折強くなる風にかばんを避けながら歩きました。
周りは畑。この時期は何も植えない時期なのでしょうか、耕した跡だけがあって、表面は乾いていました。そこを歩く茶色い鳥。聴き慣れない鳴き声。スズメじゃないこの鳥はなんなんだろう。思わず立ち止まって畑をぼんやり見つめました。
ヒバリはこんなところに居ないだろうし。畑は何を植えるんだろう。電線にはツバメがちちちと鳴いていて、雨がふわっと風に乗って。
おそらく、何気ないという以上に何もない…訴えるものが何もない光景について、ここにあるものの名前を知らないことに愕然としました。ここに住む人たちにとって当たり前の光景が、わたしにはもちろん初めてで更に知らないものだらけで。こんなほんのちいさなことにも思わず「自分の世界の狭さ」を痛感してしまい、知らないものの多さや自分の小ささ、鳥の鳴き声に胸が痛んでしまって思わず涙がこぼれたのでした。これは感動なのでしょうか?いったい自分でもよくわからずただ畑を見つめて道端でぽろぽろ涙をこぼす40女(厳密にいうとまだ39ですが)って怖いと頭の片隅で認識しつつも、こうやって打ち震えるものがある心地よさも味わっていて。
ネットやテレビ、本などで得た知識では本当に体感できないものがここに在ってその存在を知ることができる喜びというものだったのかもしれません、今思うと。
それがなぜ何も植わっていない畑の見知らぬ小さな茶色い鳥だったのかもわからないのですが。

駅まで戻りガクガクになってしまった脚をなでながら大阪へ戻り。
今日もまたお昼を食べそこねてしまった状態で、「大阪行ったらまた来たい」とずっと思ってたお店へ。
わたしあの中華街の赤いチャーシューが好きなんです。ちとスパイシーな、うっすら甘いやつ。
東京でも食べられるんですけど、焼き鳥屋さんで出るところは多分ほとんどないよねきっと(笑)というわけで好きなものがたくさん出てくる嬉しいお店「鶏ざ」へ。
ここでは会いたかった友達に時間作ってもらって、みんなで騒ぎました。
たくさん呑んで食べて喋って笑って、楽しかった。
みんなありがとう。会えてよかった。

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