小笠原諸島へ行ってきました【おがさわら丸編】

父島へ行く手段について、民間人は「おがさわら丸」に乗って1日かけて行く他はありません。
ということで私も乗りましたおがさわら丸。
今年7月に就航した三代目はとてもキレイで快適でした。

竹芝桟橋を11時に出港したおがさわら丸は翌日11時までノンストップで約1000km離れた父島まで向かいます。
二代目おがさわら丸は25時間半かかっていたそうですが、1時間半短縮されたそうです。
先代の船を知らないのできっとその違いに「おぉ!」という事もなかったのですがとにかく快適に過ごす事ができました。

今回、私は「2等寝台」を選択しました。一番安い「2等和室」は言ってしまえば雑魚寝のスペースなので隣近所と厭でも顔を合わせたりしてしまうので、カプセルホテル的な(泊まった事がないのでわかんないんだけど)区切られたスペースを確保できる2段ベッドのような部屋(の一番安いヤツ)にあえてしました。
というのも以前伊豆大島へ行った時に2等和室を選択したつもりが椅子を選択していて一晩歯医者のシートのような座席にて寝るハメになり(ガラガラだったので3席並んだところのひじ掛けを上げてむりむり横になってうとうとしたのでした)その時の苦痛から「絶対船旅では旅費ケチらない」と決めていまして。別に特1等のベッドまではいかなくても、たとえ一晩とはいえ知らない人の横で寝るのは嫌だったし(あ、二晩か)この船に乗る人たちはだいたい現地でも会うわけだからきょろきょろして警戒心もたれてもなぁという色々デリケートな考えからちょっぴりだけグレードアップしての選択でした。
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おかげで往復快適に船の揺れを楽しみながら過ごしたのですが、この寝台と併せて「事前に知っておいてよかった」と思ったのが酔い止めの飲み方でした。
長時間船に乗る予定の方はきっと知っておいた方がいいと思われます。
出典のブログが見つからなかったのですが、漁船の船長という肩書きでブログを書かれていた方の記事を読んで試したのですが、きっとこれがてきめんだったのではないかと思います。

飲んだ薬はこちら。
アネロン「ニスキャップ」
http://www.ssp.co.jp/product/all/annys/
これ、「1日1錠」って書いてあるんですけど、これを前倒して飲むんです。
今回私は11時出港の船だったんですけど、そういう場合は前の日の夜23時(船に乗る半日前)に1錠飲み、出港して半日経つ夜半の薬が切れるころ少し前に継ぎ足しとしてもう1錠飲む、という飲み方をしました。
というのも薬というのは飲んでから体内に吸収されるまである程度時間がかかるため、乗船する直前に飲んだ場合効きが悪く船酔いが始まってしまったら、薬が吸収される前に吐いてしまって意味がないからなんだそうで。なので前以て飲んでおいて確実に薬が効いた状態で船に乗り、まだ効いている状態で継ぎ足すことで船酔いを防ぐ事ができるそうです。
これのおかげで往路はなんの問題もなく過ごす事ができましたが、復路は薬を飲むタイミングを忘れてしまった上にちょうど一番荒れやすい八丈島辺りにさしかかって盛大に船が揺れたため気持ち悪くなり慌てて薬飲んで横になって薬剤の吸収を待った、という事態に陥りました(笑)
とにかく酔い止めは事前に吸収されておく(飲む、じゃなくて身体に浸透させておく)、効果切れる前に継ぎ足し、が肝心のようです。
本当に助かりました。
で、この薬の飲み方を知ったのと併せておがさわら丸船内の様子を書かれたブログも色々見ましたが、現物見るまでホントかいなと思っていたのが「いたるところにぶら下がっているビニール袋」でした。
本当にあるんですよ。というか、私は1枚もお世話にならずに済んだのですが、現地で話した方の中に「船酔いがきつくてほとんど起きられなかった」という方がいたりしてあのビニールは本当に使われているんだなーと思いまして。洗面台に苦悩の痕跡を見かけたり(詳細は伏せます)もしたので、結構船酔いに悩まされている方もいたんでしょうね。
きっと私も船酔いきつかったら「もう二度と行かねぇ」って言ってたかもしれないけど(;^ω^)
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さて竹芝を出港して数時間は東京湾内を進むため甲板に出て色々見ていました。
シンゴジラ見たばっかりだったので「おぉ!あの辺から蒲田くんが上陸したわけね」とかハァハァしていたのですが、横須賀の友達ンチに手を振ってからしばらくして携帯の電波が怪しくなり、夕方辺り(伊豆大島を過ぎる頃)にはすっかり圏外となりました。
が、甲板に出ていると地図は使えるんですよね。これには正直びっくりしました。現在地がわかったんです。携帯の電源が入っていればGPSが探してくれているからそれが表示されるんですね。携帯の電波が入らない=なんもやくだたん!じゃなかったんだと気づきました(笑)なので何度かスクショ撮って「おぉ!」とか言ってました。
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まる1日乗ってるわけで当然お腹もすくことですし、おがさわら丸では都合3食、食事をする事になりました。
行きは竹芝でパンとおにぎりを買ったのでそれを昼食として、夜と朝を船内のレストランで食べました。
船内、ということで色々期待はしていなかったのですが(笑)暖かいものが食べられる、という事を考えればありがたい事かもしれません。
3食カップラーメンで過ごすのはやはり身体にもよくないですし、だからって自炊できるところはないですし。
自販機にレンジ使って温めて食べられるたこやきとかフライドポテトのようなものもあったので酒盛りの肴にはなると思いますし、営業時間がきめられているけれどレストランも2か所あってそれぞれメニューも色々あるので、往復6食をどんな配分で何を食べるか、という事も事前に考えておくのもテかもしれないです。私は次回からはそうしようと思っていて。
ちなみに晩御飯は和風ハンバーグ、朝ごはんはおかゆにしました。
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陽も沈み甲板で星でも観ようと思ったけど意外と人が多かったので自室に戻り本を読んでいました。携帯の電波も入らないので通知もないから電源も切ってしまってどっぷり浸って読めました。22時に消灯、翌朝6時に点灯する船内に合わせて私も電気を消し、朝までぐっすり(本当に一度も目覚めず)眠りました。きっとこれも酔い止め効果なんだろうなぁと思いつつ。
翌朝、朝ごはんを食べてしばらくして甲板に出てみると、大きな島影がありました。
待ちに待った父島が見えてきたのです。
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これから3日間、この島でたくさんの経験と感動をもらいます。

つづきは「到着日午後編」へ。