ドロップ君のこと。

最寄り駅に隣接するコンビニの前がちょっとした広場になっています。
そこに夜勤明けの方々が朝休んでたりとか「仕事帰りの1杯」やってたりとか、
朝からちょっと騒々しいと思うこともあるんだけど、割と和やかで。
そういう方々が食べこぼしたり餌付けしたりで、野鳥がうろうろしてたりもします。なので鳩もやってきていて。

その白い鳩に気づいたのは去年の後半。
ドバトのぎんねず達に混じって1羽だけ白く一回り小さい子が。よく見ると羽に茶色い斑が混じっていました。
そして足には識別用の足輪が。
…あれ、この子もしかして伝書鳩?
そう思って両足についている黄色と水色の輪を調べました。

その広場には常時3~5羽ほどのドバトがいるのですが、たまに「え?」というくらい増える時があります。ドバトはキジバトと違って家族単位でなく群れ(という言い回しが合ってるのかわかりませんが)で行動するらしいので、1羽だけその白い一回り小さい子が混じってるのがとても不思議でした。
他のドバトの足には足環がついていないので、なおさら。
気付いてから毎朝その子を確認するのが日課になってしまいまして。
そうなると人の常で名前をつけてしまいたくなり。

…あいつレースから逃げたんだろうな。

そういうところから「ドロップ君」と命名(笑)
野生の馬に混じる孤高の一角獣のようなドロップ君にいつの間にか情のようなものが移ってしまったようでした。

しばらくした朝、ハトの数が激減。
ドロップ君の姿も見えませんでした。
どうしたんだろう?どこか移動したのかな。
心配だったのですが、色々調べてみたり(日本伝書鳩協会というサイトにお世話になりました(笑))してハトの習性や伝書鳩のレースなどを見ていて、どうやらドロップ君はレースの最中になんとなく寄り道してちょっと居座ってしまったんだけどハッと仕事を思い出して帰っていったんだろう、という見解になりました。
なんてゆるいんだ伝書鳩(笑)お前は寅さんか(笑)
ひとしきり笑ったあと、ヒトにいたずらされてケガしてここにいないとかじゃなければいいなぁと思いつつ、ひと気ならぬハト気の少なくなった駅前を寂しく思いました。

上記サイトにもwikiにもあるように、伝書鳩の帰巣率はそんなに高くなく。
ドロップ君のようにフーテン気質丸出しの個体もあるようなので、どうしてそんな博打みたいなレースを!と思うんだけど、その博打こそが伝書鳩の魅力なのかなぁと思ったり。

んでもってこの猛暑の中、ドロップ君が帰ってきました(笑)
帰ってきた、というよりもまた寄り道してるのでしょうか。
気分は寅さんの妹、さくらのようで。
無事ならなにより。ちゃんと巣に帰ってまたレースなのかな。今度はもっと早く帰ってあげてね。
そんな事を考えながら餌付けしてる兄さんたちを尻目に写真撮ったりしてね。

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