エルデ・オペラ管弦楽団 創立15周年記念公演 ヴェルディ/歌劇「イル・トロヴァトーレ」終演しました

5月にお誘い戴いてから約3ヵ月での本番でした。

ご来場の皆様、本公演に関わってくださった方々、
指揮の船橋先生、エルデ・オペラ管弦楽団の皆様、本当にお疲れ様でした。とても素晴らしい舞台でした。

感想はとにかく楽しかった、という言葉に尽きるのではないかと思います。
「ヲカさんが出られるのでしたら一緒に出ませんか?」案内とともにメールが来たのがGW明けでした。
演奏会形式、というオペラは話には聞いていたものの一体どういった状況になるのか全く想像がつかなかったんだけど、ロメジュリロス(流行り言葉を使ってみました)もだいぶ落ち着いてきたところだし、またオペラに関われるなんて幸せ!と思ったので「いいよ」と即答。
楽譜が届き女声の出番を確認すると2幕のみという少なさでしたが、3ヵ月しかないからこれくらいがギリギリかもしれないなぁと思ったり。

ロメジュリの時は前のめり気味に原作読んだりして感情移入甚だしかったのですが、今回はあらすじ読んでも「???」となるばかりでした。youtubeで動画も探したけど私がみつけた動画はイタリア語のドイツ語字幕というもので更にわけがわからず。
そんな状態で限られた回数の練習に向かっておりました。
あ、そうそう、このオペラ、楽しかった理由のひとつに練習会場が固定じゃなかった、というところもありまして。
高井戸の浴風園という介護施設のホールでの練習は(ちょっと遠かったけど)とても素敵だったのでまた行きたいと思うほど。
(でも「もう来る事はないよねー」「もし来るとしたら入所の時かもねー」なんて笑った)
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すごく響きが優しくていいホールでした(きっと貸出されていないホールだと思われるのですが)。
葛西だったり横浜の泉区だったり、守備範囲の広さ(という表現はあってるのかしかし)に驚かされましたが、初めて相鉄線に乗る事も出来ましたし(笑)参加しなければ行けなかったところなので良き思い出です。
そして合唱初心者がいなかったのとアルトにイルトロ経験者が二人いらして(コッソリ『アルトの猛者』と呼んでおりました)その方々が後列に回ってくれたおかげでとても歌いやすく、アルト中心の音の正しい練習録音も録れましたし(笑)本当に助かった!のでした。
そして船橋マエストロの熱のこもっていつつも穏やかなご指導と、副指揮の渡辺先生のキリッと的確な指示のおかげでこれだけの日数で本番を迎えることができたのだと思います。私あんまり練習録音を聞くの好きではなかったのですが(あくまでも音取りのためだけに使う事が多いので基本自分のパートのところを自力で録ったものをメインに聞いていた)、エルデオペラの練習録音はかなり聴き込みました。初回練習の時の録音は船橋マエストロの言葉までも覚えてしまうほど。なぜだかわからないのですが(正式な音源がなかったというのも理由のひとつかもしれないけど)練習自体も楽しかったからだと思います。

本番のかつしかシンフォニーホール(青砥駅も初めて降り立ったと思われます)の袖に入った時、なんだか懐かしさのようなものを感じました。
ロメジュリの時もこんな袖だったなーとか。舞台も「創り上げていくもの」であり、それまでの時間と労力がこの日のこの時のためにあって、この袖から舞台へ出た瞬間から昇華されていくんだと思うとなんだか早く始まって欲しいようなこのままここで今か今かとGOサインを待っていたいような、不思議な気分でした。
…本番直前は、なんて事を考えていたのですが、この日朝から私は色々大変でした。
朝からひどいアレルギー反応を起こしてしまいまして。どうやらカビが生えていたニンニクを開けた瞬間に胞子を吸い込んだらしく、それが原因で白目は腫れあがってまぶたからはみ出るほどになり、くしゃみは止まらず鼻水も垂れ流しになり。いったい何が起きたんだ!!と半泣きになりながら鼻をかみくしゃみをしていました。これじゃコンタクト入れられないし歌えないし困った!と思っていたらとりあえず収束してきたのでなんとかホールへ向かったのですが、ぎりぎりについた楽屋でサンドウィッチを食べていたらガリッと下唇を嚙んでしまい。声にならない叫びというか雄叫びをあげてしまうほど。その傷は友達数名に写真送りつけてしまうほど深く、口を閉じていても腫れている様子がわかるほどでした。
リハはとにかく痛さとの闘いでした。涙出そうでした。本番はなんとか歌える事は歌えましたが(そんな事にかまけていられないし)、食欲なくすほどの傷でした、久しぶりに。

他にもビジュアルが衝撃的だった方がいらして(複数名)台上から色々その容姿に関し憶測が飛び交っていたりとか(とても温和な表現)リハはリハだけでない盛り上がりがありました。
何よりも衝撃的だったのはオチでした。
うっすらとあらすじは把握していたものの結末までは知らずに(!)本番を迎え、女声は2幕以降出番がなかったため休憩後客席にて観劇していたのですが、そこで初めて字幕を見る事ができまして。そこで話の流れをつかむことがやっとできました。そして迎えた結末に思わず顎が外れそうでした。
すごい。…すごいしか出て来ない。
とにかくまさかの出来事に思い切りのけぞりまして。いやびっくりした。
帰りの電車の中でその話をしていたのですが、改めて相関図整理すると、この話の一番の被害者(というか不幸者)は…
おっと、言っちゃうとつまんないもんね。