暁斎/神仏のすがた/うらめしや~冥土のみやげ展

お盆を外して、今日から夏休みです。
お休み第一弾は美術館ハシゴ。

■画鬼暁斎
http://mimt.jp/kyosai/

サブタイトルといい、webといい、色々期待させられるものが多くてとても楽しみにしていました。
が、入場して一番最初にあった「枯木寒鴉図」にノックアウト。ピンク×黒のサイトから想像する展示のコンセプトと全く方向性の違うものが一番初めに掲げられていて、それがいいのかどうなのかわからないけど、私はその鴉(カラス)に惚れました。

明治14年、第2回内国勧業博覧会に出品した「枯木寒鴉図」に暁斎は破格の100円という売価をつけ、周囲から非難されると「これは烏の値段ではなく長年の苦学の価である」と答えた(当時、東京の青山の土地が千坪で15円だった)。

フリー素材がないので(検索すれば山盛り出てくるけど、そういうの貼るのはよろしくないので)興味ある方は画像検索をぜひ。素晴らしく絶妙な配置にほれぼれです。
んでもって「画鬼」と言われるだけあると思ったのが「暁斎絵日記」に描かれた絵。とにかく一日中筆を持っていたんだろうなっていうのがわかるほどだし、とにかく描くのが大好きだったのだろうと思います。
暁斎については描かれた点数が膨大過ぎて把握されていないそうなのですが(それもまた魅力的よね)今回の展示でとにかく思ったのは、配置の斬新さに尽きると思います。絵葉書にもなってなかったんだけどもうその配置に射抜かれてしまったのが「浦島太郎に鶴と亀図」の鶴。これも検索すると出てきますが、鶴と朝日かな?の位置関係がね、こんなん見た事もないわ!と立ちくらみしそうでした。好き過ぎるこのバランス感覚。あと「群猫釣鯰図(ぐんみょうちょうねんず)」は猫がこぞって鯰釣ってたりして面白かったし、大好きな鍾馗様もたくさん描いてあって嬉しかったし、妖怪屏風は可愛かったし、とにかく暁斎好きになりました。

■神仏のすがた
http://www.ccf.or.jp/jp/10about_museum/
※開催が終わったらこの展示の紹介でなくなっていそうです。

センチュリー財団の所蔵品のようですが、どういったコンセプトでこのラインナップにしたのかよくわからないままぐるっと一周して帰ってきた、って感じでした。んでも展示についての解説が結構読み応えある冊子になっていて、それもらえただけでもしからしたら入場料の価値あったかもしれない(笑)わざわざ行くほどのものでもなかったかなーと思いつつ。鏡とかも展示してあって、そこはちょっと「おぉ!」って言っちゃったけど。

■うらめしや~冥土のみやげ展
http://www.tokyo-np.co.jp/event/urameshiya/
怖い話とか心霊とか本当に怖くて大嫌いなんだけど、幽霊画の儚い感じは好きです。という訳で夏は幽霊画と百鬼夜行でしょうということで(?)芸大へ。
初めに「ザ☆幽霊画」がいっぱい展示してあって(作者不詳もたくさん。さすが幽霊画)涼しくなれました(笑)そこの展示室は「作品に触れないでください」って区切ってある区切り(なんていうの?近づけないようにガードレール的なものがあったりするんだけど、それのこと)が麻縄かなんかで、御幣がぶら下げてあったりして、更に天井には蚊帳が釣ってあって、「蚊帳の外の幽霊」っちゅうーモチーフが何点かあったのでとてもおあつらえ向きで。必要以上に昏い室内もその絵を引き立てていて。笑っちゃったのが「盲人幽霊図」で、杖持ってるのよね、足ないのに。
で、ここで河鍋暁斎に遭遇。やっぱりこの方も幽霊画描いていたのね。
幽霊ってそもそも「この世に未練があって成仏できない憐れな魂」のようなのでどうしても「うらめしく」なってしまうんだけど、どういうわけだかそんな未練たらたらな感じがなぜか色っぽかったりしたりして不思議だなぁと思いながら伏し目がちな美人を覗き込んだりしたんだけど。どんな想いでここにとどまるんだろう?昇華できないものってなんだろう。辛いだろうなぁと色々思いながら眺めました。
芸大のミュージアムショップの販売員のお姉さんたち(きっと芸大生よね)はみんな白装束で髪の毛ざんばらで「あなたたち、足ちゃんとあるわよね?」とオバサマ方につっこまれておりました(笑)

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本日のお土産はこんな感じで。
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暁斎はうらめしやの方で別冊太陽を購入。図録買わなかったのでこちらを熟読することに。
ぐい吞みは小鉢代わりに使っても良さそうと思い二つ。丸いのはわかりづらいけど、髑髏のマスキングテープ。