愉しい会話

三味線の先生との会話がとても愉しいのです。

純粋に音楽の話が基本なのですが、先生は「楽しむ」ということを常に主としているので話が佳境に入って芸術という漠然としたところに至ったとしても、「そうなんだ!それは楽しいなぁ」ととても大きな手で抱え込んでくれるように賛同してくれます。
きっと私と先生の間にある「芸術を楽しむ」という心持ちが近いのかもしれませんが(というおこがましい発言)。
合唱をやっているという(やってるって言ってもさ、素人が興味本位でやってるのでウブ毛程度しか生えてないくらいなんだけどー)話をしてから、先生の三味線と私が好むクラシックの相違なんかもよく話題になるのですが、その違いをとても興味深く聞いてくださって。私は私で、ほがらかに話す先生がいざ三味線を持って弾きはじめた瞬間の空気というかオーラというか、そういったものが瞬時に、…世界が変わるというのかな、そういったところを見るのが大好きで。かわいらしい先生が突然厳かな空気をまとって壮大な岩木山の新緑を弾いた時の感動というか圧倒というか、その姿は未だに忘れられず。先生しか持っていない、嗚呼巧く説明できないけど「カッコイイ」空気に憧れています。そんなカッコイイ先生が私と音楽の楽しさを共有してくれるんです。こんなに愉しいことは本当にないと思っています。そして音楽だけでなく「芸術」と言われるもの全ての根底にある楽しさというもの、そういったものに対する好奇心をたくさん持っている先生がとても素晴らしく、私がクラシックを楽しむ理由を拙い言葉で説明しても全身で受け止めてくれるその会話が本当に楽しく。お酒がなくてもこんなに前のめりで話せるって私の中では相当珍しいんだけど、いつか先生とはお稽古の1時間のうちだけでなくゆっくり色んな話をしたいなーと思っております。

時間とか体力とかお金とかそういったもので色々手を出してきたものを集約していこうかと思った事もありましたが、お金なんかで買えない経験と好奇心を錆びさせないために、頑張ろうと改めて誓うのでした。ヴェルレクも後悔しないように歌い遂げてみせます。というのも、来月もうすでにオケ合わせが入っていたという事実に慄いてしまっていて。今日の練習もまだ音が怪しかったりしていて。こんなんじゃ絶対舞台あがって後悔するの目に見えているので、これから3ヵ月…うそ、2か月半か、楽譜持ち歩きますとも。