印西市探索その1

とても充実した1日でした。

東京東部在住なので千葉県はとても身近なのですが、結構広い上に細部への交通網が弱く「ここへ行きたい!」というところへ行くにも片道3時間(うち乗り換え等の待ち時間が1時間とか)だったりでなかなか「堪能」まで至らないことが多かったりするのでした。
ですが今回は地元の方が同行されるということで、そして更にご家族に車を出していただけるとのことで、本来なら(公共の乗り物だけでは)1日では無理な距離と見学場所を設定する事ができました。本当に感謝です。
今回の印西市探索はとあるコミュニティ発祥で、私は完全におまけでした。というか、行程もらってもその行程の主旨を全く気にせず(というか監督がやたら「疱瘡神」って書いたのを送ってくるから疱瘡神巡りだとばかり思っていた)当日待ち合わせ場所へ向かいました。

川巡り

▼ぶらり川めぐり
http://www.inzaimizunosato.com/kawameguri/kawameguri.html

同行された方が、この舟で色々解説してくださる方の話が聞きたかったからという事で乗船。
1時間コースだったのですが、あっという間に感じるほどの充実感でした。
留鳥のコブハクチョウがたくさんいて(普段は少ないらしい)可愛かった。
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マニアライクな話になりますが、この日のキーワードは「養蚕信仰」でした。

かつての養蚕は、蚕を「オカイコサマ」と呼んで大切にし、労力を惜しみなく投入しました。
しかし、どんなに大切に飼育しても、病気によって作柄が悪かったり、せっかく掃き立てても、桑が霜でやられて、蚕を捨てなければならなかったり、決して安定した繭の収量が期待できたわけではありませんでした。それゆえ、人々は、ことあるごとに神に祈らずにはいられませんでした。「オカイコは身上(しんしょう)がけ」である以上、その願いもまた、切ならざるを得なかったのです。
出典:豊蚕への祈り(養蚕信仰) ←群馬県のだけど

「不安定な稼業だからとにかく安定した収入を得るために」という前提があっての養蚕信仰なんだけど、にしても個人的にはカイコって真っ白でしっぽはエビみたいで(芋虫の類苦手だけど)許せる範囲ギリギリ(あとはアゲハチョウの幼虫は触れないけどずっと実家で観てきてたし)なので信仰の対象になるのもわかるなぁなんて思っていました。成虫(カイコガ)も真っ白だしね。
川めぐりでこの印西の歴史を語ってくださった方が、現在はほとんど記録にすら残っていない印西の養蚕の話をしてくださるという事での乗船だったわけでして。
私はそんな事情(?)も知らず、
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この座布団代わりの避難器具の絵のモデルが由美かおるだとおっしゃっていたのをにこやかに聞いていたのでありました。

六軒厳島神社

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こちらは疱瘡神を祀っているとのことで。
私は気づかなかったんだけど、監督が見つけたと言ってました。
咳神様に群がる方々
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このあとは同行された方のご家族に車を出して戴いての快適な道中となりました。
普段は先の記事にも書きましたがとにかく電車で行ったら歩くしかない(バスも本数少ないしタクシーもほぼ見かけない)ので、今回は本当に素晴らしく快適かつ大幅なショートカットが出来てありがたかったです。

竹袋稲荷神社

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こちらの神社へは写真の「蚕影山神塔」を見に(だんだん深くなっていく感が)。
この石塔の周りには他にもたくさんの石造物があってひとつひとつ眺めていくのも面白かった。特に写真は撮らなかったけど、屋根付きの石造物の屋根のデザインが質素だったり豪華だったり、造られた時代やオゼゼの問題とか、色々あるんだろうなぁと思わせるものでした。
そしてこの稲荷神社の近くの墓地にある物を見に行きたいんだ、と歩き始める監督の後をぞろぞろ着いて行き、「そう、これこれ!」と指さしたのがこちら。
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犬卒塔婆(ざかまた)です。
コトバンクを見ていただけるとなんとなくわかる感じかと思われます。
一見文字も薄れてしまっていてなんとも怪しげな雰囲気を醸していますが、きっとこれ去年のものなのでしょうね。そして今年もまた新しいざかまたがここに供えられるんだと思います。きっとこれをわざわざ見に来る人は年に数人程度だと思いますが、見世物でなく土地や人に根付いた信仰は細くとも永く続いていってほしいと思いました。

地蔵尊(熊野神社)

「おぉ!山門がある神社とかって!!」と一瞬盛り上がり。
神社の本殿越しに墓地という光景も珍しい。
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こちらには大日如来の石像を見に。
facebookにも載せた、美しいお顔の大日如来さまです。
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同行した方の話では、寛文年間に作られた石像はとてもクオリティが高いそうで、こちらもそういった観点から是非見て欲しかったとのこと。
おそらく以前はこんな感じにまとめて置かれていなかったと思われるんだけど(戴いた資料に掲載されていた写真と背景が違うし)、せっかくの美人がもったいないなぁと思いました。
石像をこうやってまじまじと見る機会ってそんなにないけど(青面金剛とか執拗に見まくってるけどさ)、これからは「お、この石像出来がいいな」と思ったら作られた年代も気にしてみよう。
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手前の如意輪観音ぽい座りの石像もいい味だしてるね(^ω^)

結縁寺

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すみません。本殿等々、結縁寺を示すものを全く撮っておりませんでした(笑)
彼岸花が有名なこのお寺に何をしに行ったかと言うと、このあとに向かう松虫寺の御祭神(ん?寺だから神じゃないか)の松虫姫のことじゃないか、と言われている「疱瘡姫皇女」と書かれている疱瘡神を祀る祠。松虫姫と疱瘡神の関係はあとでじっくり語るとして、本拠地(松虫寺)の付近にはこうやってその伝承を裏付ける(もしくは装飾する)何かがあるものなのですね。
有名なお寺なのに本堂そっちのけでこの小さな祠を激写しまくる一行。同行者さんのご家族の方も一緒に車を降りて散策に付き合ってくださっていたのですが、こういった私たちの姿にはちょっとひいていたようでした(笑)そりゃそうだ。
 
長くなったので分割します。
松虫寺以降は次の記事で。