映画「ホットロード」観ました

妹が語りたいから観てというので。

ホットロードは40代前後の女性には懐かしいのではないかしらと思うんだけど。
別冊マーガレット連載、当時まだ暴走族という不良たちの生き方がその世界なりに輝いていた頃の話でして。連載当時中学生だった私は主人公和希とほぼ同年代で地元にはまだ「○○連合」なんて暴走族の残滓があったりして制服のスカートは長く短ランボンタンで尾崎聴いて「先公」に理由もなくはむかっていた友達がクラスにわさわさいた頃でした。
私自身は暴走族に憧れる事はなかったけど(第二次バンドブームの頃でもあり、どちらかというとミュージシャンに傾向していたのでバイクよりもギターの方が良かった)この頃の別冊マーガレットはたくさんの素晴らしい漫画が連載されていたし作者の紡木たくの絵柄は(巧くなかったけど)たくさんの漫画家に影響を与えた独特の技法でもあって特に注目されやすくもあり何となく読むようになって。
あの頃ってやっぱりまだ自分の操縦がへたくそだから(今もだけど)突進してはぶつかって怪我してを繰り返していた頃で、そんなへたくそな運転でボッコボコになった車をそれでもまだ走らせているような頃だから同じようにドッカーンとやってる「同士」を見るとね。共鳴しちゃうのよね。
ホットロードはその世界についてではなく和希とその母との関係に私は色々想うところがありました。
思い通りに歩こうとしない私を母はどんな思いで見つめていたんだろう。
母親になって同じような事を思った時にふと、「あの時の母の気持ち」にやっと触れる事ができて。

で、映画の感想ですが。
妹からの前情報では「とにかく原作に忠実」というだけはあって、結構セリフや表情、もちろん春山が働いていたスタンドなどのディテールの再現性は高かったなーと思います。
んが!なんてみんな棒読みなの!!!ってくらい春山を演じた俳優の固い表情(怖い顔してんじゃなくて固いのよ、表情が)がとにかく鼻についてしょーがなかったのでした。そして和希はもっと感情的だったと思うし、トオルさんはあんなににやけてなかったし(ここは妹と同意見)、役者さんがねぇ…残念でした。
鈴木君もさ、もっと線の細くて薄い男性の方が良かったんじゃないかな。
妹は映画が終わって欲しくなかった、このままこの世界に浸かっていたかったと2回劇場へ行ったそうなのですが、うすら酔っぱらいでipadminiで観た私はもう観なくていいやーって感じでした。あの世界に居たいのならやはり原作を読みたい。あの空気感はしらじらとした湘南の夜明けのような紙面から感じ取ればいい、そんな風に思ったりして。だって棒読みだし。

facebookについポロっと書いてしまったけど、春山を見て初恋の男の子を思い出したりしまして。
似てるわけではないけど、なんていうか…手のひらからすり抜けていってしまうような感覚が、古い記憶とだぶってしまっていて。ははは。

まとめると(照れ隠し)、原作を多感な時期に読んで「あの頃」を懐かしむ人は観るといいと思います。
きっとあまずっぺー思い出がわさわさ噴出して恥ずかしくて赤面必須です。
原作読んでないときっと「???」ってなるシーンが多いと思うので、あまちゃん懐かしむ方は先に原作をどうぞ。